ツボ刺激とリズム

絶妙な、「ツボ刺激」と「リズム」とは…

「効いてる感」と「安心感」の中で

世の中にはさまざまなマッサージの種類、方法があります。いわゆる○○式と呼ばれる形で、世界各国それぞれに発展し、 現在も改良を重ねられたり、また融合をくり返し、新しい手法も日々生まれてきているように思います。そのような状況の中で、受け手となるクライアントとしては、「何が良いのかわからない…」「信頼し、安心して任せられる人になかなか巡り会えない」というお悩みや、「痛い思いをしただけで、もう2度と行きたくない」と第一印象(または相性)悪くそのように思ってしまう方も少なくないようです。このページでは、私なりに理想的なマッサージとはどういうものかにふれながら「ツボ刺激」への考え方、施術する上での「リズム」についてお伝えします。

痛いのが良いの?

ボディーマッサージや、足のリフレクソロジーなどの一部で、痛くても我慢して受けてもらうという方針のサロンや治療院もあります。これは、施術法の考え方として筋肉や細胞を一度破壊して再生を促すためにという理由で行われるようです。これはこれでその方針に同意でき、施術数日後に効果を実感できればありだとは思います。しかし、その気が無いのにそのような施術を受けると最悪な事態になりますね。私も、以前そういう施術を受けて力加減を全然調節してくれなかったので最悪でした。私の経験的には、あえて強すぎる位の圧加減での施術は必要ないと思います。私の理想は「イタ気持ちよく効いている」ことを実感して頂けるような圧加減です。「ちょっと痛い気もするけれど、それは多分、からだのその部分が疲れているんだろうな〜」と思って頂けるようなレベルです。その位で受けて頂くと、リラックスもできます。そして、施術後の満足度も、効果の実感も高いようです。

「ツボ刺激」ってどういうこと?

よく「ツボに入った」とか、「ツボにはまる」といいますが、実際に体へ伝わる刺激というのを体感した事はありますか? 指圧系マッサージ、最近ではアロマテラピーのトリートメントの中でもツボ押しが含まれていることがありますね。または、針治療、お灸もあります。実際に、ツボを正しく捉えて刺激されたときには「ジ〜ン」や「ジワ〜ッ」というように、独特の体に響いてくる感じというものがあります。これが、いわゆる「ツボ刺激」というものです。体には基本、ツボが361個あるとされています。これは、世界保健機関(WHO)でも認定(2009年現在)されている数です。私が施術する経絡リンパマッサージや、経絡リフレクソロジーでは、361個すべてのツボを刺激するわけではありませんが、主要なツボを中心に、ほどよい圧加減で刺激していきます。

「ツボ刺激」のメリットは?

まず、ツボはどういうところに点在しているかをお伝えしましょう。沢山集中しているのは、骨と骨がつなぎ合わさっている所です。いわゆる骨の接合部である「関節」部分になります。関節というのも、肩関節や、股関節などは有名な大きな関節になりますが、何せ人は206個の骨をもっていますから、その骨と骨とのつなぎはすべて関節ということになります。骨と骨はどうつながっているか。それは筋肉や靭帯、腱という「つなぎ役」たちです。ツボはその関節周辺にあったり、筋肉などが骨にくっついている部分、専門的には「起始・停止」の部分に多くあります。ということで、ツボを刺激することは、まず、「つなぎ役」たちの緊張をゆるめることであり、それは血流を良くし、リンパ液の流れも促すことに通じるので免疫力の向上にもつながります。さらに、東洋医学的には生命エネルギーの素といわれる「気」の流れを改善することになります。


マッサージと「リズム」の関係

マッサージや整体、アロマトリートメントにおいて「リズム」はとても重要な要素です。サロン内がとっても素敵な空間でまとめられ、アロマの心地よい香りが漂って、セラピストさんがどんなに素敵な方であっても、施術のリズムやテンポが今ひとつだと、どうしてもリラックスできないものです。これは、施術を受け慣れたヘビーユーザーの方ほど感じている事です。一言に「リズム」といっても、終始同じリズムやテンポであれば良いという、そう単純なものではありません。また、「お客様の呼吸に合わせる」ということも良く言われるのですが、それは間違いではありませんが、全てではないと思います。基本的には、相手の方が深呼吸に近いくらいの長めの呼吸ができるテンポが基準になるかと思います。それを基に、筋肉の厚いところ、薄いところで圧を微妙に変化させ、リズムの方もテンポを少し落としたり、速めたりしていきます。

<参考>圧加減や、リズムコントロールを音楽記号で表してみます。

圧加減

  • だんだん強く=「クレッシェンド」
  • だんだん弱く=「デクレッシェンド」
  • やや弱く=「メゾピアノ」
  • やや強く=「メゾフォルテ」
  • ごく弱く=「ピアニッシモ」
  • ごく強く=「フォルテシモ」

テンポ

  • だんだんゆるやかに=「レタルダンド」
  • だんだん速めていく=「アッチェレランド」
  • 落ち着いてゆっくりと=「アダージオ」
  • ゆるやかに、歩く速さで=「アンダンテ」
  • やや早く=「アレグレット」

※細かくもっとたくさんの記号がありますが、主なもののみピックアップしました。

「リズム」を決めるために必要な2つの「イメージ」

リズムのコントロールは、ある意味「テクニック」の話になります。リズムを決めるためには「イメージ」が必要だと思います。「イメージ」として大事なことは2つあり、1つは体の骨格や筋肉、さらに気の通り道である経絡(けいらく)やリンパ節の位置関係や流れがどうなっているか「目視でイメージ」すること。目視といっても、タオル越しや、着替え越しに把握して行くということになります。2つ目に、実際にお体に触れてコリやハリなどの状態を「指先等で感じてイメージ」することで、その上でツボや筋肉を捉えて疲労が出ている箇所にアプローチしていきます。

「不協和音」を「調律」。
「セラピスト」=「ハーモナイザー」としての役割

感覚的な話になりますが、心や体の不調というのは、楽器でいうならばチューニング合っていない状態、歌でいうならば音程が外れている状態といえば思い浮かべやすいでしょうか。体全体が骨、筋肉、内臓など数多くのパートからできていることを思えば、1つのオーケストラともいえるでしょう。オーケストラには、ピアノ、バイオリン、フルート、トランペット、打楽器など様々なパートがあり、それぞれが特徴ある音色を奏でて、1つのハーモニーとして成立しています。しかし、その中で1つでも、楽器の調律の乱れたものがあれば、全体が心地よいハーモニーとして成り立つことはできなくなります。人の体も、同様ではないでしょうか。人の体では、乱れを敏感に不調として感じるところと、じわじわと時間を経て不調にいたるところがあると思います。それぞれに「調律」または「調整」していくためには、フォーカスすべきポイントをわきまえていることが肝要です。ピアノやギターには弦がはってありますが、どの弦が狂っているか、見極めて調整していくのに似ていると思います。ですので、私の役割は、不調や疲労を感じてらっしゃるお客様のいわば「ハーモナイザー(調整役)」ということだと自負しています。


以上、「ツボ刺激」と「リズム」についてご説明させて頂きました。私なりに施術を行う上で意識している事の一端をお伝えしました。私のもとへお越し頂いたお客様には、実はこのような事を巡らせながら、お一人お一人、元気なってお帰り頂くよう務めております。

ここまで、長文におつきあいくださり、ありがとうございます。

安保 優